年間30万人で癌死している日本人の現状において全日本人必読のセカンドオピニオンを学ぶための慧眼書、いつ自らが家族が愛する人が癌死するかもしれない、一億総癌患者の時代も近い将来決して絵空事ではない差し迫った状況で、癌と告知されて狼狽しないための、手術の甲斐なく手遅れでしたと告げられ死を迎えるしかない時に後悔しないための、セカンドオピニオンの実践をシミュレート出来る、癌治療に新たな指針と手助けを与えてくれる近藤誠氏による医療書である
他の本も一緒に読んで下さいおすすめ度
★★★★☆
これらの本を読もうとしている人の中には,家族やご自身ががんになっているような,本当に切羽詰まった状況の方もいるかもしれません.そうであればなおさら,これら近藤氏の著作だけではなく他の本も一緒に読んで欲しい.医学に少しだけ関係する者として,このことを痛切に感じます.
読者からのレビューで「本書を読まずしてガンの治療に望むのは、はっきりいって危ない」というコメントが有りましたが,本書だけを読んで治療に臨むのも同様に危険です.また医師の中には近藤氏の著作によって引き起こされた現場の混乱に胸を痛め,真摯な反論を上梓している人達もいます.例えば斎藤建氏による「近藤誠氏の「がんもどき理論」の誤りー病理医の見たがんの真実」や,国立がんセンターの医師達がまとめた「がん治療に迷ったら」(海老原敏・和田努)などです(恐らく他にも有ると思うのですが,筆者の不勉強で引用できない分はスミマセン).特に後者は,少し古いですが,自身や家族の治療法に悩んでいるような方には是非併読して欲しいと思います.
この国ではベストセラーになると科学的な検証が行われずにマスコミが無批判に追従し,何よりもその後のフォローが極めて疎かである傾向があります.
ただ,今は医師に対してもセカンドオピニオンの大事さが喧伝される時代です.情報だって同様で,近藤氏の著作だけを材料に判断を下すのは余りにも危険です.勿論,最終的に治療法を決めるのは患者自身であり,近藤氏の考えに賛同するのも1つの選択肢です.しかし,その為には判断を下す土台となる正しい情報を持!っている事が絶対に必要であること,そのためにも一緒に読んでおいていただきたい本が有ることも,忘れないで下さい.
なお評価の星は悪意の有る営業妨害と思われたくないのでレビューを投稿した時点の星の数に合わせただけで,それ以上の意味は有りません.
ガン学界の「異端」の“第二の声”を聞け!おすすめ度
★★★★☆
著者自らが、「がん治療を受ける前にセカンドオピニオンを得るための本」と述べている。
本書で著者は、がん治療における様々な論文を引用しながら、その矛盾・疑問点を浮き彫りにしてゆく。多々の治療法や医師の考えを具体的、客観的に載せる。それに反論し、疑問を呈する。そうした過程を通して、著者の「異端」ぶりが浮き立つというのが本書の面白味だ。
現今のがん治療、一体どこにどんな問題があるのか。この本を読んで知ってほしい、考えてほしい。本書を読まずしてガンの治療に望むのは、はっきりいって危ない!
概要
がん論争の発端となった「がんもどき」理論を展開した放射線科医師の近藤誠氏による,がんの治療選択術
手術,化学療法,放射線治療それぞれの問題点やメリット,デメリットを整理し,再発・転移した場合にどうするか,民間療法に対する著者の考えなどが示されている。
抗がん剤が効かないがんはこれ,治らない患者に毒性試験をするのが治験など,近藤流にばっさりと切っている。がん論争のいきさつについても随所で触れられており,前著を読んでいる人ならより面白く読めるだろう。
医師と患者の間で交わされたやり取りの実例や,大規模試験の結果を示しながら,「医師の言うことは必ずしも正しくはない」「医師や医療機関によって治療方針はかなりばらつく」「名の通った病院だから治療がうまいというわけではない」と主張,セカンド・オピニオンの取り方を指南する。
本書には,目の前の医師を盲信せず,いろいろな選択肢を納得いくまで検討すべきというメッセージが込められている。著者は最後に「わたしの言葉も疑ってもらわなければ困る。医者の人格や言葉を絶対視せず,相対化すること」と記した。 (ブックレビュー社)
出版社/著者からの内容紹介
手術、抗がん剤、放射線、どの治療がよいか、家庭医学書に書いてあることを信じてよいか……。「近藤理論」ですべての疑問に答える
内容(「BOOK」データベースより)
がんと宣告された患者が、医者まかせにせずに、治療を受ける前にセカンド・オピニオン(第二の意見)を得るためにどうすればよいか。手術、抗がん剤、放射線…数多い選択肢の中で、はたしてどの治療が良いか。家庭医学書に書いてあることを信じてよいか。『患者よ、がんと闘うな』の著者がすべての疑問に答えます。
内容(「MARC」データベースより)
「がん」と言われたとき、手術・抗がん剤・放射線、どの治療法がよいか、家庭医学書に書いてあることを信じてよいか…。著者独自の「近藤理論」で、がん宣告された人と家族の疑問に答える。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
近藤 誠
1948年生まれ。73年慶応義塾大学医学部卒業、同年同大学医学部放射線科入局。83年より同大学医学部放射線科講師。がんの放射線治療を専門とし、乳房温存療法のパイオニアとして知られる。患者本位の治療を実現するために、医療の情報公開を積極的にすすめる。「患者の権利法をつくる会」および「医療事故調査会」世話人