単純な、高いモノ批判になっていないところに、好感が持てます。お金持ち向けのブランド品であっても、やっぱり、つくる人が真心をこめること、使う人が愛着をもてば、お金には変えられない、たったひとつの宝物になることに、変わりはないのです。
ほろ苦いイギリス版人情物語おすすめ度
★★★★★
ロンドンの家政婦のおばさんが、何と世界最高の高級ブティックにドレスを買いに行こうと
身の程しらずな「野望」を持ったところから始まるおとぎ話。
生きるために戦ってきたハリスおばさんの常に前向きな姿勢がいい。アダ・ハリスは
難しいことを考えているわけじゃない。神様は時に畏れるもの、時に御褒美をくれるじいさん
でしかないし、嘘はつかないが作り話はOKという、しごく人間的な庶民であるところがいい。
ごく普通に外国人を胡散臭く思いながら単身乗り込んだパリの高級ブティック。周囲は普段
およそ縁のないマダムにモデルに貴族たち…。ちょっぴり人間的におびえながらも地に足のついた
ハリスおばさんが周囲の人たちを巻き込んで行く。美しいドレス。案外自分と変わらなかった外人。
新しくみつけた、つかの間の友情。しかし、ロンドンで待っていたのは…
酔いも甘いも噛み分けた人のこころにほろっと沁みる物語。
どうして女性が服飾にお金をかけるのか分からない男性諸氏、まだ服飾のことしか分からない
若い方にぜひお薦めしたい。
元気をもらえる本ですおすすめ度
★★★★★
小学校のころに両親に買ってもらって登下校中に読んだ本ですが、数十年経った今でも心に焼き付いている、印象深い作品です。
お手伝いをして生活いるおば(ぁ)さんが、つましい生活をしながら貯めたお金で人生一世一代の旅行をします。目的はパリのディオールでドレスをあつらえてもらうこと・・・。
途中でいろいろな人たちに出会い、ハプニングを乗り越え、無事に帰国しますがその後大事なドレスが・・・
作者は何と今だから知る「ポセイドン・アドベンチャー」のポール・ギャリコ。
心をホットにしてくれる一冊です!!
概要
ハリスおばさんが、節約とくじでお金を貯めパリのディオールの店で念願のドレスを手に入れました。しかし…。
内容(「MARC」データベースより)
ロンドンでお手伝いさんをするハリスおばさんは、節約やくじで苦労に苦労を重ねてお金をつくり、ついにパリのディオールの店にいきドレスを手に入れますが…。「ハリスおばさん」3部作シリーズ1作目。73年講談社刊の復刊。