ようやく出会えた名作おすすめ度
★★★★★
エッフェル塔や凱旋門のないパリを想像できますか?
第2次世界大戦中、実際に、パリではあらゆる建物に爆薬が仕掛けられ
一面の焼け野原となる可能性もあったのです。
そんな最悪の事態をまぬがれ、現在の美しいパリを見ることができるのは、この本に書かれているような人々の闘いがあったからこそ。
たんなる第2次大戦史ものではなく、歴史の舞台裏で繰り広げられた人間ドラマを描いた臨場感あふれる最高のドキュメンタリー。
ノンフィクションの金字塔
おすすめ度 ★★★★★
ドミニック・ラピエールとラリー・コリンズの作品にはイスラエルの建国、インドの独立を題材にした名著があるが、この作品が彼らの原点。連合軍によるドイツ支配下のパリ解放の数日間を克明に描いた。ちなみに「パリは燃えているか?」とはパリを焦土にする命令を出したヒトラーが繰り返しパリのドイツ軍総司令部に送った訓電の文面。ドイツ陸軍パリ占領軍司令官のフォン・コルティッツは命令に反逆。パリをほぼ無血で連合軍に引き渡した。パリ解放(陥落)も数日間を、市民、レジスタンス、ドイツ軍人、フォン・コルティッツ司令官など多彩な人間のそれぞれの行動を克明に記録、インタビューし、解放の数日間のドキュメントをこの大著にまとめた。ドキュメンタリーとしても、手に汗握る物語としても読み応えがあるし、読むほどに本にどんどん引き込まれてゆく。一時ハードカバー、文庫とも絶版になっていたが、うれしいことに再刊された。(松本敏之)
概要
第二次世界大戦末期、敗色濃厚なドイツ軍は内部分裂を始め、1944年7月にはヒトラー暗殺も企てられた。追い詰められたヒトラーは常軌を逸したパリ破壊命令を下す。「パリを敵の手に渡すときは、廃墟になっていなければならない!」ナチス占領下のパリは街中に爆薬を仕掛けられ、ドイツ軍フォン・コルティッツ将軍の命令一下で吹き飛ぶ、まさに風前の灯ともいうべき状況にあった。エッフェル塔、凱旋門、ノートル=ダム寺院、ルーヴル美術館、あらゆる歴史的建造物が消滅する危機にあった花の都は、いかにして廃墟となる運命を免れたか?第二次世界大戦における劇的パリ解放の真実を描いた、二十世紀最高のドキュメント。
内容(「MARC」データベースより)
ヒトラーの常軌を逸したパリ破壊命令。エッフェル塔などあらゆる歴史的建造物が消滅する危機を、花の都はいかに免れたか? 第2次大戦における劇的なパリ解放の真実を描いた20世紀最高のドキュメント。1977年刊の再刊。