バルザックを読まなくてもパリは分かるかもおすすめ度
★★★★☆
バルザックやいろいろな小説に出てくる登場人物を交えて、
当時のパリがどんなものだっかかを分からせてくれます。
「お針子とは?」「高級娼婦とは?」
たくさんの本を読む気力はない人でも
簡単にパリの空気にふれることができます。
でも、パリって本当に「恋愛のシステム」が確立していたんですね。
19世紀フランス文学作品を読んだ後にどうぞ
おすすめ度 ★★★★☆
本書は19世紀フランスのさまざまな職業について、バルザックなど
当時の文豪の作品を引用しながら説明しています。
例えば、社交界の女王になるためには、家柄・財力・美貌だけではなく
政治力も必要で、その政治力とはサロン等に招待する人としない人を自在に
調整する能力とか。
(自分の好き嫌いではなく、相手が社会的に評価の高い人間かどうかが問題)
文学作品を読了した後にこの本を読むと、(あの文章はそういう意味だったのか!)
といろいろ発見ができます。
ただ一点、年金生活者の項目で
15000フランの永久国債(年750フランの利息があり、死んでも元本は残る)で
年1200フランの終身年金(死ぬまでもらえるが死んだら元本は人手に渡る)
を設定したゴリオさんはその先34年以上生きるつもりだった、というような
記述があるのですが、
単に750フランでは生活できないからという可能性はないんでしょうか……?
概要
社交界に君臨するための絶対条件とは? 19世紀小説にはなぜ女中が出てくる? 医者より儲かる薬剤師! これを知らずしてバルザックやフロベールを語れない「風俗ファイル」。【第51回読売文学賞受賞】
内容(「BOOK」データベースより)
お針子、門番女、公証人、仕立屋、乳母…バルザックやフロベールの小説に登場するさまざまな“職業”。その知られざる実態を明らかにし、19世紀社会に迫る「風俗ファイル」。