つぶらなひとみで今もたちつくすきりんおすすめ度
★★★★★
トルコからのわいろとして、ヨーロッパに初めてきりんがやってきた。陸路をゆっくりとマルセイユからパリまで歩いてやってきた。彼はその目で何をみたのだろう。 パリはにわかにきりんブームになり、きりん色の衣装、きりん型の髪型、きりんのおかしといった文化を作った。
その一生をパリで終えたこのジラフは今でもあるところの美術館の古い階段の上に立って、こちらを見つめているという。 アメリカのライターが<悠然と歩きつづけるきりん>のイメージに感銘を受けて、調査し記述したドキュメント。 私は大好きです。その悠然さが。
キリンが、なぜノンフィクションの主人公になったのか?
おすすめ度 ★★★★★
現在では、殆どの動物園で普通に飼われているキリン。しかし、十九世紀にエジプト総督からフランス国王へ送られたザラファという雌キリンは、初めてキリンを目にするフランス人達の好奇心をかき立てた。この珍しいテーマに出会ったアメリカ人作家マイケル・アリンは、この時代の背景となる地中海世界の近世史を絡ませて第一級のノンフィクション作品に仕立てた。膨大な資料を読破し、舞台となったエジプトやザラファが歩いて移動したマルセイユからパリまでの道を実際に踏破して調査するという努力を元に、筆者がまるで1826年から27年にかけてのエジプトからパリまでの同行取材したかのようなリアリティで書き上げた星5つの評価に相応しいノンフィクションである。登場する人物達が歴史的な読み物と!しても一級の読み物としている。
概要
神秘的な美しさと愛くるしさでフランスを熱狂させた、エジプトからの「生きたワイロ」。フランス革命とナポレオン帝政を経て、束の間の平和に浮かれるパリに送られたキリンと、それをとりまく人々の物語。
内容(「MARC」データベースより)
19世紀初頭、神秘的な美しさと愛くるしさでフランスを熱狂させた、エジプトからの「生きたワイロ」。フランス革命とナポレオン帝政を経て、束の間の平和に浮かれるパリに送られたキリンと、それをとりまく人々の物語。