一流の女(人としての一流ではなく、性的な存在としての)を目指すことがどんなものか、という意味を教えてもらった気持ちです。正に愛の国おフランスと感服するのみです。
売春を肯定する意図は全くありませんが、女性を蔑視したお安い性意識や、性を軽んじる風潮のはびこる今の日本にはどんなに背伸びしても追いつくことの出来ない毅然とした冷たいまでの美学が、そこに存在していることを感じました。
どんなHOW TO本よりもおすすめ度
★★★★★
物事の本質を突いている。
コルティジャーナ養成機関というべきか。整形や売春を「正」とするのは意見が分かれると思うが、「完璧な」女性とはどういうものか、概念から具体的な所作にまでに落とし込み、彼女の「娘たち」に体現させたのはさすがだ。きっと、このマダムこそが、一流の女性であり、人間であったのだろう。
売春宿という最も古いが忌み嫌われる職業を芸術にまで高めたのは、ストイックな彼女の気質による。これは「シューズ」というニックネームをつけられるほど、ぴかぴかの靴でなければいやだった少女の自叙伝である。
最後、スキャンダルにおとしいれようとマスコミや政府までもが彼女の口を割ろうとした際、顧客のプライバシーを最後まで(投獄されても!)守った彼女を私たちはたたえるだろう。歴史は真実はあとからでも知ることができることを証明してくれる。
十代の高校生から大人まで読んでその懐の深さ、人生を濃くいききった人間の生き様を知って欲しい。
内容は濃いがすらすら読める。行間が命。
開放されることおすすめ度
★★★★★
もし、自分の周りに「自分がお手本にしたい女性が存在しないなー」と思っている人がいたら、この本は何かしらもたらしてくれると思います。
今の日常生活で、なんだかわからないけど、変な望んでいない流れに流されてしまっているなーと思ったら、必須アイテムになるかもしれません。
自分が大切にするべきこと、それが世の中の人が口々に言うこととは違っているのかも、そしてそれでいいんじゃないって感覚を私にはもたらしてくれました。
概要
1960年代から’70年代、パリで最高級売春宿を経営していたマダム・クロード。フランス通の訳者が、その数奇な人生、知られざるフランスの裏面を紹介。彼女の洗練の秘密は?女性の本当の幸せとは?「パリの粋」が見えてくる一冊。