せちがらいこの現代において別な生き方もあるのだなと思わせてくれる桂品。今の生活をすべて捨ててプロヴァンス地方にすみたくなる本。この本がヒントでプロヴァンス風住宅を作ってしまった。それぐらい、素敵なライフスタイルへいざなってくれる。
究極の癒しの書おすすめ度
★★★★★
この本が出版され、各国でベストセラーになってからもう長い年月が経過した。それでもまだ売れつづけているそうである。いったいこの本の何が読者にうけるのだろうか。おそらく、つまるところ、読者はこの本に癒しを求めているのではないか。
著者のピーター・メイルは、イギリスの広告業界を捨てて南仏のプロヴァンスに移り住んできた。そこでの田舎の生活、隣人とのふれあい、プロヴァンスの風土、人情、動植物、料理、ワイン…。これらの由無しごとを淡々と書き綴っている。そんなエッセイである。
プロヴァンスでは時間の観念が幅広く、弾力的である。プロヴァンスでは時間がゆっくりと流れている。人には誰でも、心の中にそんなプロヴァンスを持っている。だからこの本が長年読み続けられているのでち!¯ないか。
あなたも癒しを求めるなら、この本をひもといてごらんなさい。
なお、巻末に料理関係の索引がついている。エッセイの本としてはユニークであるが、プロヴァンスでは、料理はキーワードなのである。
こんな暮らしがしてみたいおすすめ度
★★★★★
秋に夫婦で南仏旅行を計画中なので、思い入れを深めよう、とこの本を読んでみました。なんてゆったりした生活なんでしょう。時間にも曜日にも追われない季節感だけで流れていくプロヴァンスの田舎の生活は、ちょっと遊びに行っただけの旅行者にはわからないかもしれないけれど、片鱗だけでも味わえたらいいな、と思いました。
フィクションのようなノンフィクションおすすめ度
★★★★☆
よく旅をした感想を著した旅行記のようなものがありますが、この本はそんなひとときの思い出ではなく、著者が実際に南仏で生活した記録です。ですから、旅人として訪れたらあまり出会えそうもないエピソードが満載なのです。そして、ノンフィクションにもかかわらず、登場する人、物、出来事のなんとドラマティックなこと!!小説を読むようにして、南仏の四季折々の風景や生活習慣、物事の考え方がわかります。まさにフィクションのようなノンフィクション!信じられないほど魅力的な登場人物達と料理に実際に会いたくなるかも!?私は著者の至福体験を読んで、「私の生きる歓びって何だろう?」と思わず考えてしまいました。
プロヴァンスの香りがしてくる本
おすすめ度 ★★★★☆
ヨーロッパは旅行したことがないけれども、筆者の緻密な風景や料理の描写をよんでいると、プロヴァンスという一つの絵画のなかに入り込んでしまったかのような錯覚を覚える。ピーター・メイル氏は、プロヴァンスに住むためにイギリスから移住してきたというが、この地に対する愛情が、イギリス人ならではの視点から描かれていることからも伺える。ちょっと空想で旅行してみたいと思ったら、完璧な一冊ではないでしょうか。
概要
オリーヴが繁り、ラヴェンダーが薫る豊かな自然。多彩な料理とワインに恵まれた食文化。素朴で個性的な人々との交流。本当の生活、生きる歓びを求めてロンドンを引き払い、プロヴァンスに移り住んだ元広告マンが綴る珠玉のエッセイ。BBCがTVドラマ化し、NHKでも放送されて話題を呼んだ、世界的ベストセラー。一九八九年度イギリス紀行文学賞受賞。