入門篇じゃないですよ。でも、単品でなければ買い。おすすめ度
★★★★★
「トリュフォーの思春期」
「野生の少年」
「恋愛日記」この3作品は珍しいですね。
「トリュフォーの思春期」なんて「大人は判ってくれない」と時期がぜんぜん違うんですが、確か「アデルの恋の物語」の頃、で子供に対するこの監督の視線は、いつもすれているような、しかし心のそこでは、やさしいまなざしを持っているなあと実感しますねえ。本当ならここに、「大人は判ってくれない」がはいってくるとわかりやすいんでしょうが、違うようで子供に対する視線はやさしいですよ。ジョルジュ・ドルリュの音楽が音楽担当しているんですが、サントラも欲しいです。このやさしさは「野生の少年」を観てもわかるんですが、トリュフォー自身が出演して、その監督自身のまなざしのやさしさがわかるので、根本的なものなのでしょう。反抗期は人生において仕方ないんでしょう。それはそれで一つの映画になるんですが(「大人はわかってくれない」)。
「アデルの恋の物語」はイザベル・アジャーニが美しいですし、彼女独特の気が強い(違う表現が本当は適切ですが)待ちの恋愛の話ですし、これで彼女がブレイクしたことは事実です。私は個人的には大好きな作品です。「暗くなるまでこの恋を」なんてカトリーヌ・ドヌーブが美しいですし車で上半身着替えるシーンなんていいですよね。映画とすると、「終電車」の方が圧倒的に良いんですがとにかく美人なんですよ、この映画の中では。
「恋愛日記」も少年とまったく関係ない話ですのでこのBOXの位置付けは難しいと思うのですが、このBOXは女優の魅力と監督のやさしいまなざしのある作品でしょうか。
そういうと「恋愛日記」が浮いてしまいますが。笑い。
この監督の入門篇ではないことは事実だと思います。単価が安いので買ってもいいかな。というより、買いですね。
HOMME
おすすめ度 ★★★★★
「恋愛日記」1977年 119分 100点 カラー
シャルル・デネル主演のコメディかな?「カサノバでなければ、ドンファンでもない」女性に対して恋愛感情を持てない主人公を好演してます。普通住所を知りたいだけで、アルファロメオを自爆させますかね。ヤリタイだけの男性の話だけですが、猥褻さを全く感じません。
「アデルの恋の物語 」 1975年 98分 75点カラー
1863年、新大陸では南北戦争が勃発したころ、カナダの港町に一人のフランス人女性が降り立つ。名はアデル、イギリス騎兵隊に属するピンソン中尉を追いかけてのことだ。彼女はガーンジー島の両親のもとから飛び出し、新しい世界で幸せを掴もうと夢を抱いていた。彼女は愛しいピンソンのもとに手紙を書き送るが、彼の返事はない。彼女は思いの丈を毎日書き綴り、気も狂わんばりにピンソンを愛そうともがく、ビクトル・ユゴーの娘のアデル・ユゴーの悲劇を描いてますが、後味わるいですね。
「暗くなるまでこの恋を」1969年 124分カラー 95点
主演ジャン=ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーブ、見合い相手と待ち合わせたベルモンド前に現れたのは写真と全く違うカトリーヌ・ドヌーブだった。ヒッチコックが好んだウイリアム・アイリッシュの原作。
「野生の少年」1970年85分モノクロ 80点
1798年の夏、フランスで「野性の少年」(ジャン・ピエール・カルゴル)が発見された。イタール博士(フランソワ・トリュフォー)は彼を引き取り、自分の子供のように教育をする。イタール博士にあこがれ、トリュフォーにあこがれたスピルバーグが「未知との遭遇」を作る時に影響を受けた映画ですよ。
「思春期」1976年 106分カラー 85点
概要
トリュフォー円熟期の代表作5作品がコレクションボックスで登場。
【収録作品】
『野性の少年』日本語字幕:柴田香代子
○特典映像:オリジナル劇場予告編
『暗くなるまでこの恋を』日本語字幕:柴田香代子
○特典映像:オリジナル劇場予告編
『アデルの恋の物語』日本語字幕:山田宏一
『トリュフォーの思春期』日本語字幕:山田宏一
『恋愛日記』日本語字幕:山田宏一
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
フランス映画の巨匠、F・トリュフォー監督の代表作を集めたDVD-BOX。文明を知らぬ野生児が人間の本性に目覚めていく姿を描いた『野性の少年』の他、『暗くなるまでこの恋を』『アデルの恋の物語』『トリュフォーの思春期』『恋愛日記』の5作品を収録。
内容(「Oricon」データベースより)
フランス映画の巨匠フランソワ・トリュフォー監督の作品5作をセレクトした5枚組DVDボックス。収録は「アデルの恋の物語」「暗くなるまでこの恋を」「トリュフォーの思春期」「野性の少年」「恋愛日記」
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
MGMが権利を持つ、主に70年代の作品のボックス・セット。作品のテーマはすべて違うのだが、ここまで違っていてもトリュフォーはやはりトリュフォーなのだった。野生化した少年だろうが、文学者の娘だろうが、愛に対する激しい渇きにおいては同列に、その一方でモダンにしあげるのがトリュフォー流。思春期の子供たちの、小憎らしくも生々しい世界があけっぴろげに描かれても、これ見よがしどころか後味はクールだし。アメリカン・ニューシネマの幕開けとなった、『俺たちに明日はない』の監督依頼が最初はトリュフォーに来ていたというエピソードの片鱗が、『暗くなるまでこの恋を』にまんま出ているし。スマートな不良少年というべきトリュフォーの美学が観どころかも。