ある種、画家になった気分。おすすめ度
★★★★★
『アメリ』。よかったです。レビューは正直ですね。僕に欠けていたものをまた一つ埋めていただいたようです。
感想をいうと、のっけから終わりまである種往年のフランス映画に納まっているにしても、フランス映画独特の手法を存分に、愛すべきフランス映画かな、となりました。ハリウッドにも、日本にも、最近の韓国にもないスタイル。映像が色彩を意識して撮影されているのもフランス映画らしさ、だと思います。
不思議な映画でしたが、もう一度観たくなるほどの秀作だと思います。主演のアメリ役のO・トトゥさん、笑わせていただきました。綺麗、というよりかわいいですね。多分、猫をイメージしたのだと思います。事実、猫も出てますね。
これだけではないでしょう。脚本も優れています。これだけの長い台詞が冗漫にならず効いている。全編、笑いっぱなしでした。
ありえない、とわかってていても、つい何か幸せを意識してしまう。庶民の描写はぴか一のフランス映画のもつ底力に今回は魅せられました。
モンマルトルでの撮影ということもあり、一瞬、画家になった気分にさせられました。頑張れ!フランス映画。★×5。
空想好き少女
おすすめ度 ★★★★★
賛否両論かもしれませんが、私は好きでした。アメリ役の女優さんの目がすごくいたずら好きな少女のそれで。すごく印象的でした。実際役のアメリともあっているのでは?私のイメージするフランス映画そのものだったので、とても満足しています。
概要
『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』で知られるジャン=ピエール・ジュネ監督が、モンマルトルの街で夢見がちに生きる若い女性の軽やかな日常を描いた、ポップなヒロイン・ムービー。
22歳のアメリ(オドレイ・トトゥ)は、ある日“他人を幸福にする喜び”に目覚めて密かな悪戯にひたっていくが、やがてひとりの青年に恋したことで、メルヘンの世界から現実へ踏み出す必要へと迫られていく…。
どこかお人好しでお節介、そのくせ自分からはなかなか翔び立てない小悪魔アメリのキュートな可愛らしさは、特に若い女性客に好感と共感を持って受け入れられた。遊び心たっぷりの映像と音の演出も小粋で楽しい。フランス本国、そして日本でも驚異的大ヒットを記録し、「観た人を幸せにする映画」という監督自身の弁を見事に裏付けることにもなった快作である。(的田也寸志)