ストーリは第二次世界大戦下のヨーロッパを舞台にしたラブストーリー。なんだかどこかで見たことのあるようなストーリーはご愛嬌。昔の映画に多いパターンだったので、かえって最近の若い人には新鮮かも(やば、歳ばれる! 笑)。
そんなことよりもこの映画はキャストを楽しみましょう。なんといってもシャーリーズ・セロンとペネロペ・クルスの美の競演。二人の時代が持つエレガンスなファッションを存分に堪能できます。さらに実生活でもセロンのパートナーであるスチュアート・タウンゼントの競演も面白い見所。息の合った演技はもう嫉妬ものです(笑)。
俳優のファンと女性向けの恋愛映画といったところでしょうか。普通の男性には退屈ではないかと。
女性の目で見た戦争おすすめ度
★★★★☆
『モンスター』でアカデミー賞を受賞したシャーリーズ・セロンと人気女優のペネロペ・クルスが競演している映画です。『モンスター』では役作りのためにあえて十キロほど太っていたらしく、本作でのシャーリーズ・セロンは『モンスター』の彼女とは全くの別人です。もちろメイクのせいもあるのでしょうが、やっぱり十キロ違うと体も顔もこれだけ違うものなんですね、びっくりしました。また、ペネロペ・クルスの方はちょっとメークが濃すぎるかなという気がしましたね。というのも、この女優さんは掘りの深い欧米人の中でも、一際はっきりした顔をしているので、当時のメークを忠実に再現したような濃い目のメークをしていると、なんだか宝塚風に見えてしまうんですよね。
映画の舞台となるのは、スペイン内乱から第二次世界大戦が終結するまでの数年間です。そんな激動の時代を、己の美貌を武器に自らの信念を貫こうと懸命に生きたギルダ(シャーリーズ・セロン)と、自らの過去に苛まれながらも故郷のスペインを思い看護師として戦場に飛び込んでいくミアという二人の女性の人生を通じて描いています。
この映画最大の見所は、やはり後半、ギルダの恋人であるガイがスペインからフランスに戻ってきてからの部分です。ナチス占領下にあるフランスでギルダはどのような生き方をしているのか、そしてなぜそのような生き方をしなければならないのか。一見すると不可解なギルダの行動が、悲劇的なラストに向って一気に収斂していきます。この後半部分のシーンには、享楽的な生活を求めながらも社会や時代というものに関わらずにはいられないという一人の女性の複雑な心理と、複雑な生き方をせざるを得なかった時代状況とが非常に上手く描かれていると思います。
映像よりもむしろ人間の内面に重点をおいたストーリーで見せる映画なので、どっしり腰を据えてじっくり鑑賞できる骨太の映画です。
運命とは・・・そんなテーマを美しい映像でどうぞおすすめ度
★★★★★
「あなたの34歳以降の人生が見えない」と子供のころに、占い師に言われたことで人生を生き急ぐ女性の物語・・・
運命とは何か?使命とは何か?を美しい映像でつづる美しくも儚い物語です。運命や使命って何でしょうね。ひとつ言えることは信念を持って生きる人は美しいということでしょうか。
最後まで観た私は心が痛みました。そしトリコになりました。
それにしてもシャーリーズ・セロンはただでさえ、きれいなのにこの映画では、可愛いセロンや美しいセロン、かっこいいセロンなどいろいろな姿が観られます。『モンスター』でアカデミー主演女優賞を獲得したあとの最初に出演をした映画です。演技も見てください。
2004年に観た映画で最もお薦めしたい映画No.1です。4回も映画館に足を運んでしまいました。是非、観てください。
シャーリーズ・セロンは一段と美しくなりました。
おすすめ度 ★★★★☆
第二次世界大戦前夜のパリを舞台に、青年ガイと上流社会に生きる美しい女性ギルダの恋を描いた作品です。ギルダは、とても奔放な女性ですが、男性にとって奔放な女性は憧れですね。魅力的なものです。ましてや、とびっきりの美女となれば尚更ですね。シャーリーズ・セロンは、また一段と美しくなりました。
ラブストーリーですが、冒頭で14歳のギルダが占い師に告げられる言葉が、重要な鍵であり、全てを物語っています。
パリでのガイとギルダそしてペネロペ・クルス演じるミアとの幸せな時間とやがて訪れる別れ・・・・・。悲しいエンディングが待っています。
とにかく、最後にギルダがつぶやく「何もわかっていない。」という台詞が、心に残ります。そして、走り去るギルダの振向きざまの笑顔が心に残ります。見終わった後、だんだんと心に沁みてくる、そんな大人の映画です。
ところで、相手役のスチュワート・タウンゼントは、私生活でも彼女のパートナーだそうですが、ちと妬けますねえ。でも、見ているうちにだんだん好きになってきました。
しかし、邦題の「トリコロールに燃えて」は久々に最悪のタイトルです。全く意味不明です。もう少し何とかならないものでしょうかねえ。
概要
『モンスター』のシャーリーズ・セロン、『ゴシカ』のペネロペ・クルス共演によるラブロマンス。第二次世界大戦後のパリを舞台に、戦争という現実に背を向けながら愛に生きたひとりの女性・ギルダの波乱の半生を壮大な映像美と共に映し出す。
内容(「Oricon」データベースより)
シャーリーズ・セロン、ペネロペ・クルス共演で贈る感動のラブロマンス。1930年~1944年の盛衰のパリを主な舞台に、激動の歴史の中で真実の愛を追い求めた女性の物語。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
自分の思うままに生きる――そのツケがすべて自らに降りかかるという意味で、実は厳しい生き方だ。享楽的に生き急ぐ女性の過酷な運命を、第二次大戦前後のパリを舞台に描く大河ロマン。醜女メイクでオスカー受賞後初のシャーリーズ・セロン主演作は、やはりその美貌と濃厚なラブ・シーンに注目してしまうが、奔放さゆえヤな女にもなりかねない役をチョイスしたことは、演技派の足場を固めたいという狙いがあるのではないかと思う。一方、したたかさでは先を行くペネロペ・クルスの“らしい妖艶さ”も捨てがたいが、地味メイクで献身的な女になった途端、魅力が薄れてしまうのが残念。女優のイメージ戦略の難しさをつくづく感じてしまうのである。 (滝矢直)