ベルサイユ宮殿ホールでの素晴らしいコンサート おすすめ度 ★★★★☆
ベルサイユ宮殿内にこんな大きなホールがあることを寡聞にして知らなかった。木製だそうだが、大変に美しい音響を持つホールである。そこでのバレンボイムとベルリンフィルによる、フランスに関係した3曲の演奏会の実況である。彼自身以前パリ管の常任だったこともあり、ラヴェルではフランスらしい洗練された指揮ぶりを見せている。ただ、ベルリンフィルが無骨すぎて、やや堂々たるラヴェルになってしまった。指揮者自身のソロによるモーツァルトは、彼のあり余る技量を十分に制御したすっきりさわやかな演奏になっている。圧巻はベートーヴェンの「英雄」で、汗を振り飛ばしながらの指揮者のリードにオーケストラがきっちりと反応して素晴らしい緊張感を醸し出している。熱演が過ぎて最終楽章で若干オケが乱れるのはご愛嬌。どの作曲家のファンの人であっても、それぞれの演奏を十分に満喫できることだろう。
概要
ダニエル・バレンボイムを指揮に迎えたベルリン・フィルによる、97年のヨーロッパ・コンサート。ヴェルサイユ宮殿にまつわる歴史解説ドキュメンタリーも収録。
内容(「Oricon GE」データベースより)
1997年仏のヴェルサイユ宮殿で行われたベルリン・フィルのコンサートを収録。「クープランの墓」「英雄」ほか全3曲収録。
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