王妃の昼寝部屋に、リモコン空撮の醍醐味! おすすめ度 ★★★★☆
映画『カストラート』の監督ジェラール・コルビオが、このドキュメンタリーの監督を務めているので、流れるような美しい映像を堪能できます。ルイ14世、15世、マリー・アントワネット、ナポレオン1世などの人物と宮殿との関係を焦点に、宮殿と庭園を紹介しているので、ヴェルサイユの歴史とともに、絵画、彫刻、調度品や室内装飾の流行の変遷や、離宮、王妃の村落、温室、運河、泉水など、ヴェルサイユの見所をきっちりと頭に入れることができます。ヴェルサイユを訪れる機会のある人は、必見でしょう。鏡の間や、王の寝所などの豪華絢爛な公的な部屋もよいのですが、プライベートな空間も多く紹介しているのも、このDVDの特徴かと思います。作り物の本が並んだ王妃の図書室と、付属する秘密の午睡の部屋は、本嫌いで堅苦しい宮廷を嫌ったマリー・アントワネットの性格が表れているようで興味深いものがありました。仕掛け時計や、精巧な寄木細工で出来た書き物机、メダルを蒐集したキャビネットなど、珍しい家具も良かったと思います。また、メイキングにもあるように、天候に苦労し、リモコン飛行機に搭載したカメラによる空撮で、ベストショットを撮りたい製作者たちの意気込みが伝わってきます。
概要
毎年800万人の来場者を感嘆させているヴェルサイユ宮殿。17世紀フランス文化の頂点ともいえる庭園から国王の居殿、非公開の場所まで余すことなく紹介する。
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