しっとりと時が流れる名作おすすめ度
★★★★★
パスポートを盗まれた。入管は融通がきかない。顔写真の照合ができないためパリ空港に足止め。この日は大晦日。よって元日も足止め。通過客専用のスペースへ。そこで暮らす人たち。ギニアからきた父親を待つ少年。アフリカ人らしいが変わった言葉を話す機械いじりが好きな男。過去軍人そして前科者,ノンフィクションの原稿を書く男。食事の世話をする母親代わりの美女。アルチェロは彼らとの関わりを通して,だんだん居心地が良くなってゆく。
元日,少年の父親の身元が判明。明日にもギニアへ帰されるとのこと。少年はパリ(空港)へ残りたいと言う。アルチェロは少年に一度パリの街を見せてやることにする・・・
深夜のパリに出向く時の,無言の中の表情,そして音楽。一度でもパリを訪れたことのある人は,涙なくして観られないでしょう。これ見よがしなパリの風景は出てきません。バトー・ムーシュからのささやかな夜景・・・ささやかなクライマックス。
無国籍で宙ぶらりんの人たち。底流にあるのは独特のペースと楽観主義。ペーソス漂う静かな作品。
観終わった後 心が暖かくなる作品
おすすめ度 ★★★★★
ふとしたことからパリの空港内に閉じ込められ、出られなくなってしまった主人公。
そこで出会う、空港内に住みついている奇妙だけど人間味あふれる楽しい人々との
交流がコミカルに描かれています。
一度も空港から出たことのない少年に、大晦日のパリを見せに行くシーンは、
パリの夜景の美しさと相俟って感動的です。
概要
訳あって空港に住み着いた人々が織り成すコメディドラマ。図像学者のアルチュロは空港でスリに遭い、パスポートを紛失。飛行機で目的地に着いたものの入国ができない彼は、多種多様な人たちのいるトランジット(外国人用処理区域)に留まることに…。