今までテノールしか聞いていなかった私にとって、このDVDはある意味ショックでした。casta divaを何回観直したか知れません。カラスの体全体で表現する歌は、何度見ても釘付けになってしまいます。当時の男たちが、カラスに夢中になっていた事は容易に想像出来ます。暫くその他のオペラを聴くことが出来ませんでした。何度観ていても飽きが来ないというのも珍しい経験です。いつの日か、彼女を超えられるソプラノが出てくるのを心待ちにしていますが、はたして生きているうちに可能でしょうか。
トスカのすごさに脱帽!!おすすめ度
★★★★★
動く映像でマリア・カラスが見ることができるなんて、すごいことだと思う。彼女の現役時代を知らなくても映像がそれを残してくれるから。
特にトスカの第二幕はすごい!!ラスト近く、「トスカ、とうとうわしの物だ」 「これがトスカのキスよ!」のくだりは目が釘付けになる。それだけでなく、苦しみのた打ち回るゴッビのスカルピアやトスカの「死ね!死ね!」の声も本当に大迫力。古い映像ではあるけれど、全然そんな事問題にならない。カラスファンならずともぜひ見て欲しい。彼女の歌っているところを記録した映像は本当に少ないことが何よりも惜しい。もし、カラスが後20年遅く生まれていたら、もっと多くの作品が映像で残っただろうと思う。
やっぱりマリアカラスは最高!おすすめ度
★★★★★
今まで彼女の作品はCDでよく聞いておりましたが、こんな古いすばらしい映像が見れるとは、、やはりDVDはすばらしい!当時パリ・オペラ座での熱狂と感動を実感できる作品です。音も多少のライブの雑音はあっても、歌声は信じられないほどすばらしく、やっぱりカラスの声のすばらしさは本物、録音技術のよしあしではないことがわかりました。
脱帽。おすすめ度
★★★★☆
昔から知識として「ソプラノ歌手マリア・カラス」は知っていた。多分、流れている声を耳から何度も聴いていたことだろう。「永遠のマリア・カラス」が広島で上映され、妻が友人と見に行って「素晴らしい」と感動しているので、丁度「見体験!」シリーズで出ていたこの「歌に生き、恋に生き」と「ハンブルク・コンサート」を求めた。いや、参りました。「歌声」もともかくも、彼女のこの「華やかさ」「艶やかさ」はどうだろう35歳の脂の乗りきった姿。嫌味でなく、世界を我が物にしている自負に溢れた輝く瞳。パリ・オペラ座の客席にいた人だけでなく、欧州12カ国のTVでの視聴者も、そしてこのDVDで初めて彼女に出会う人も、この素晴らしい舞台に背筋が「ぞくっ」とし、信奉者に変わっていくのではないだろうか。画面はTV放映を編集したもので、やや振れや乱れがあるが気になるほどでも無い。各曲の前の簡単な解説も私のような素人には親切で助かる。この58年とハンブルクの59年の画面からは同じ印象を受けるが、ハンブルクの62年では異なった雰囲気が漂っていると感じるのですが・・・。でも、とにかく凄い!
映像で観るマリアカラスおすすめ度
★★★★★
いつもCDでその歌声を聴くことしかなかったカラスが、映像で観られたことは本当に幸運なことでした。ノルマを歌うカラスの表情、凄み、圧倒的な存在感・・・。ありふれたいい方かもしれませんが、背筋がゾクっ。彼女は役になりきるといいますが、その意味が分かりました。このDVDで歌っているノルマ、レオノーラ、ロッジーナ、そしてトスカと、見事なまでにカラスの「顔」が違うのです。ここまで入りきるから、カラスの歌唱は聴く私たちの心を捉えるんだなーと、今更ながらに思いました。そして、第二部の「トスカ」の、ゴッビとの競演!すごい!この人以上のスカルピアはいるのかしら・・・?なんて思ったりして。 ただひとつ残念だったのは、第一部の「ノルマ」、コーラスがあまりにもお粗末なような気がするのです。(録音が古いせいなのかな?) とにもかくにも、カラスの凄みとエレガンスにうっとりの、素晴らしい一枚でした。
私の真のプリマドンナ、マリア・カラス。おすすめ度
★★★★★
ダイエットに成功した美しい、カラスの歌い姿。セヴィリアの「今の歌声は」は、その表情、もちろん歌も見事。お得意の、カスタディーバはとても美しい。やはり、カラスの18番だなーという感じ。ドレスもとてもいい。二重唱の相手が、ちょっといまいちだなー、と思ったのは私だけだろうか。カラスほど、声も、キャラクターも、それぞれのオペラで変えられるプリマドンナは、他にはいないだろう。それが、はっきりと好き嫌いの分かれるところだろうが、やはり彼女は、偉大なプリマドンナであることは間違いないないだろう。
概要
マリア・カラスほど、映像で本領を発揮するプリマドンナはいない。
本作に収録されているのは、1958年パリ・オペラ座で行われたレジオン・ドヌール勲章事業の栄えある公演の模様で、時の大統領ルネ・コティを筆頭に、フランスを代表する文化人・芸能人が列席していた。そして、同郷ギリシャの船舶王オナシスがこのコンサートでカラスを見そめ、その後カラスは歌にすべてを捧げた生活から一転して、恋に生きることになったのである。この公演は、彼女がオペラ歌手としての頂点を極めたものといえるだろう。 第1部はコンサート形式で、「ノルマ」のノルマ、「イル・トロヴァトーレ」のレオノーラ、「セヴィリアの理髪師」のロジーナのアリアを歌い、第2部はカラスの代表的な持ち役「トスカ」の第2幕を上演するという、たいへん豪華な仕立てとなっている。彼女の歌唱のテクニックと豊かな声の表情、そしてオペラでは演じない役柄のアリアを聴くことができる第1部。
そして第2部の「トスカ」では、横恋慕する警視総監スカルピア役にバリトンの重鎮ティット・ゴッビを得て、カラスは迫真の演技そして歌唱力を発揮している。とてもドラマティックで、カラス以上のトスカを見ることは、かなわいのではないかと思うほど。マリア・カラスの魅力があますところなく表現されている作品である。(志賀洋子)